昨年の大幅なAI・ロボットへの委任意向は鈍化したが、コロナ前との比較では増加を維持し、今後定着が予想される
目次
要旨
- 「一般清掃」、「サービスの取次ぎ」は昨年に続きDIが60を越える高水準
- 「共有設備の受付・清算」、「管理費の徴収状況報告」等IT化を進めやすい項目もコロナ前を上回る
- ただし、長引くコロナ禍で各「相談」業務は人を求める傾向
調査概要
分譲マンション購入・売却検討者27万人を有するマンションのセカンドオピニオンサイト「住まいサーフィン」(https://www.sumai-surfin.com/)は、マンション居住者に対し、AI・ロボットに対する意識調査を行いました。「住まいサーフィン」は不動産ビッグデータを活用しコンサルティングを行う、スタイルアクト株式会社(東京都中央区・代表取締役:沖有人)が運営しています。
今回の調査では、「AI・ロボットへの“マンション管理の個別業務”に対する委任意向」について聞きました。本調査は、2018年から実施しており、今回で4年目となります。
- 実施時期
- 2021年6月25日~7月31日(インターネット調査、郵送調査)
- 調査対象者
- 「お住まいの分譲マンションに関する調査」の回答者
- 有効回答数
- 2147
調査結果
分析結果から、マンション管理業務についてコロナ前の一昨年と比較してAI・ロボットへの委任意向は増加傾向を維持していることがわかりました。昨年は未曾有のコロナ禍で混乱と不安から非接触に対する意識が著しく強くなりスコアが増加していたが、今年はその混乱や不安からくる増加が落ち着き、スコアは鈍化したと考えられる。今回調査を一昨年と比較すると、清掃や受付、報告の項目においては全ての項目で一昨年を上回る高いスコアとなりました。特に「一般清掃」や「サービスの取次ぎ」では、DI(※)が60台を越える高水準を保っています。反対に、理事会運営や日常管理、リフォームに関する相談の項目においては、一昨年や昨年よりも人間への依頼志向が高まりました。
スマートフォンや音声認識端末から家電の操作が可能となるスマートホーム製品の普及や在宅時間が長くなったことにより、コロナ禍で急速に復旧した非接触型のサービス提供は今後定着が進んでいくと考えられます。
「一般清掃」や「サービスの取次ぎ」では、DIが60を越える高水準
AI・ロボットへの「共有部の清掃業務」の委任意向が61.4、「サービス取次ぎ」の委任意向では68.7となり、いずれも一昨年の調査と比較すると「共有部の清掃業務」の委任意向では+5.0ポイント、「サービス取次ぎ」の委任意向では+8.9ポイントとなりました。スマートフォンや音声認識端末から家電を操作するスマートホーム化が注目され、家庭用自動掃除ロボットが身近になったことによってAI・ロボットへの親しみが高まり、業務委任意向が高水準を保ったと考えられます。
「共有設備の受付・清算」、「管理費の徴収状況報告」等IT化を進めやすい項目もコロナ前を上回る
昨年度調査時は前例のない状況下だったため、人と接することへの不安から急激なスコアの上昇となりましたが、今年は新しい生活様式にも慣れ、スコアが鈍化しました。しかしながら、一昨年の調査と比較して、清掃や受付、報告の項目でAI・ロボットへの委任意向は年々高まっていることが分かりました。製品普及により身の回りのIoT化が進んだこと、そして新しい生活様式で非接触を意識することが増えたことで管理業務においても非接触型への期待が高まったと考えられます。
長引くコロナ禍で各「相談」業務は人を求める傾向
今回、相談業務の「日常管理に関する相談」「リフォームなどの相談」「理事会運営に関する相談」の3項目すべてにおいて、昨年度調査と比べて人間への業務委任意向が高くなりました。コロナ禍で新しい生活様式が身につき、非接触型のサービスやシステムに触れることが増加してもなお、「相談業務」に関しては、依然として人に意見を聞いてほしい、解決へ導いてほしいことが伺えます。人間ならではの強みが活かせる仕事は人間への委任意向が明確になってきたと考えられます。
スタイルアクト株式会社
ITコンサルティング事業部
TEL:03-5537-6333 FAX:03-5537-6334
E-mail:pr@styleact.co.jp
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